自分でも今すぐできる
盗聴器・盗撮器の見つけ方と業者の見分け方

2009/12:発行
2020/03:更新


2. 今すぐできる盗聴・盗撮防止策


1. 概要
2. 今すぐできる盗聴・盗撮防止策
3. 盗聴器・盗撮器の種類
4. 盗聴器/盗撮器の電波とは
5. 難易度別発見方法
6. FAQ
7. まとめ

はじめに


誰しも盗聴・盗撮されていると思うと、むやみに盗聴器や盗撮器を探そうとします。

ですが、そんな事は後回しで構わないのです。

先ずは、盗聴や盗撮を防ぐ事です。

そう言うと、盗聴器や盗撮器がどこにあるか分からずに、どうやって防ぐのかと思われる事でしょう。

ですが、そんな事は簡単です。

何故ならば、盗聴器はマイクで音を拾い、盗撮器はレンズで光を受けるのですから、音や光を遮ってやれば、間違いなく盗聴・盗撮は防げるのです。

効果てきめんですので、もし不安に思ったら、即実行してみて下さい。


自分は本当に狙われているのか?


その前に、ご自分が本当に盗聴・盗撮のターゲットになっているか、冷静に且つ客観的に考えてみましょう。

もちろん誰でも盗聴/盗撮のターゲットに成り得ますが、当然ながら優先順位があります。

2012年に発覚したイギリスのマスコミNews of the Worldによる盗聴ターゲットは、政治家、王室関係者、芸能人、スポーツ選手、犯罪被害者の家族でした。


Phone-Hackingにより廃刊になったNews of the World

すなわち、当然ながら話題性の高い人物ほど狙われ易いという訳です。

このためもし自分が、上記に当てはまる様な何か他人と大きく異なる特徴を持っているのならば、常に警戒している必要があります。

ただし上記はマスコミによる組織的な犯罪ですので、個人レベルでしたら狙われる理由はさまざまです。

例えば以下の様な方は、確かに狙われる可能性が高くなります。


盗聴・盗撮される可能性が高い人

①最近になって、それまで付き合っていた人と別れた。或いは離婚した。或いは別れたいと告げた。


②宗教団体もしくはそれに類したサークルに入っている(入っていた) 。

③異性関係や交友関係、人間関係でもめている 。

④不倫や浮気をしている(していた)。

⑤金銭絡み、或いは他の理由で人に恨みを持たれた可能性がある。

⑥必然性、偶然性に関わらず、何か重要な情報を持っている。

⑧ストーカーがいる。


⑨自分以外の人に、自分の部屋の鍵を渡した事がある。

⑩身内や知り合いに、詮索好きもしくは変わった人がいる。

⑪最近引っ越しした。

⑫自分は目立つタイプである。

上記に該当する方で、もし何かしら気になる事があったら、躊躇なく行動する必要があります。

一方上記に一切関係しない方は、それほど心配しなくても良いかもしれません。

ただし、近所に不審者が越して来たとか、たまたま道で擦れ違った男に跡を付けられたという事もあり得ますので、他人事とは思わずに読んで頂ければと思います。


盗聴・盗撮防止策


ご自分がどの程度狙われている可能性があるか理解して頂いた所で、それではいよいよ防止策をお伝えします。

1)音を出さない

先ずは盗聴の防止策です。

何だと言われるかもしれませんが、もし盗聴されていると思ったら、先ずは音を出さない事です。

盗聴する側からすると、ある程度のリスクを負って盗聴器を仕掛けたにも関わらず、いくら待っても何も聞こえないというのは、仕掛けられた側から仕掛けた側への最大の攻撃(イヤガラセ)とも言えます。

またどうしても音を出す必要あったら、テレビや音楽を大きめに掛けておけば、会話程度であればマスクできます。

盗聴するためには、盗聴器をただ仕掛けるだけでなく、その後盗聴器の電波を近くで受信する、あるいは録音した盗聴器を回収する作業が必要になりますので、音が拾えないのでしたら、そのうち諦める可能性もあります

また少々高度になりますが、盗聴されている可能性が高いのでしたら、嘘の情報を流すのもお勧めです。

後程もう少し詳しくお伝えしますが、電話を掛ける振りをして時間と場所を告げて、盗聴者をおびき出す、あるいは盗聴者に無駄骨を折らせるという手もあります。

要は必要以上に恐れずに、貴方が盗聴者の上をいけば良いのです。


2)部屋を暗くし、怪しいものはカバーで覆う

次は盗撮防止策です。

一昔前でしたら気を付けるのは盗聴器だけでしたが、電子機器が発達した今日、むしろ気を付けるべきは盗撮器の方かもしれません。


一目見ても分からない市販盗撮器の数々

ただし盗撮器の場合でしたら、部屋が暗ければ何も映りませんので、部屋を真っ暗にすれば取り敢えず予防できます。

なお一部の盗撮器は、赤外線を照射して暗闇でも画像を映し出す物もあります。

この光(赤外線)は目には見えないものの、デジカメ(携帯のデジカメでも可)やビデオカメラには写りますので、部屋を暗くした状態でデジカメの液晶画面(もしくは液晶ファインダー)を見ながら部屋を一通り見て回る事をお勧めします。

もし赤外線が発光している場合は、暗い液晶画面に光が見えます。

試しにリモコンの発光部をデジカメの液晶画面で見ると、以下の様に(目で見て分からないのに)LEDが発光するのが分かります。


リモコンの先端をデジカメやスマートフォンで見るとLEDの発光が確認できる

なお上記以外に暗闇でも撮影可能な暗視カメラ(後ほど説明するサーモビュアー等)もありますが、価格も高く(安くても数十万円)大きいので、必要以上に警戒する必要はありません。


目に見えない赤外線を画像にするサーモビュア

またもし自室において、盗撮カメラがセットされていそうな怪しい場所(カメラを隠し易い場所)があれば、布等のカバー(バスタオル、シーツ等)で覆ってしまいましょう。

例えば本棚や棚、壁の小さな穴などはどんどんカバーしてしまいましょう。

また外出先ではどこに何が仕掛けてあるか分かりませんので、気になるならば、室内の照明を消せば盗撮を防げます

特に最近では、個人経営の民泊に盗撮器が仕掛けられているという事件もありましたので、いくら安いからといっても、怪しい場所には近づかないのが賢明です。

またデパートの試着室、トイレといえども全く安心できませんので、照明を消せないのならば、洋服或いはハンカチ等で怪しい箇所(芳香剤、花瓶、ゴミ箱等)を覆う事で防げます。

     

実際それだけで、全くお金を掛けずに盗聴盗撮を撃退する事ができます。

盗聴器、盗撮器を発見しようと思うとかなり大変ですが、防ぐ事は比較的簡単な事は分かって頂けるでしょうか?


3) 火災報知器に注意

そして昨今最も注意しなければならないのが、火災報知器型の盗撮器です。


火災報知器型の盗撮器

2006年以降徐々に義務化された事に伴い、一般家屋やアパートにも良く見られる様になってきました。

これには、従来の盗撮器には無い3つの大きな利点があります。

①外観が火災報知器なので、天井とか、壁の高い所に取り付けても全く不自然はなく、室内を盗撮するには絶好の場所に設置できる。

②本来は安全装置なので、外すのも躊躇する。

③意を決して取り外そうとしても、高い所にあるので、簡単には手が届かない。

という訳で、火災報知器型は理想的な盗撮器とも言えます。

ではこの場合、どうやって盗撮を防ぐかですが、手としては二つあります。

先ずは、長めの脚立を用意して外してしまう事ですが、2006年以降義務化されている市町村もあるので、余りお勧めできません。

このためお勧めの手としては、火災報知器の下に丸い紙を貼ってしまう事です。


盗撮機能を遮断するため、報知器の下に丸い白紙を貼ってしまう

先ず白い紙を、直径15cm程度に丸く切ります。

次に、その中央に両面テープを貼付し、火災報知器の下にペタと貼り付けます。

それで、周囲から報知器を見て、本体が隠れて見えなければ、作業完了です。

これでしたら、(万一本物だとしても)報知器の検知機能を大きく損なう事なく、盗撮機能を遮断する事ができます。

ただしどうしても、脚立か、それに類する高めの台や椅子が必要になります。


4)PCやモバイル機器に要注意

盗撮で意外に見落としてしまうのが、PCやモバイル機器(携帯電話、携帯音楽プレーヤ)に付いているカメラです

本体には気が付きながら、実は知らない内に盗撮カメラになっているかもしれませんので、周囲に置かれていたら十分注意しましょう。

モバイル機器については、電源が切れている様に思っても表示だけが消えて稼働している可能性もあるので、レンズを下にして置くか、やはりカバーを掛けるなどしましょう。

また忘れてはいけないがPCです。

最近のラップトップPC、あるいは一体型のデスクトップは全てカメラとマイクを搭載していますので、要注意です。

マイクはともかくとして、自分のPCであっても常にカメラのレンズ部分にはテープ止めしておきましょう。

PCのカメラはテープ止めする

貴方のPCにも必ず付いていますので、上記を参考にしてテープで目隠ししておきましょう。

さもないといつの間にかそれを使って、LAN経由で盗撮されているかもしれません。


5)古いコードレス電話を使用しない

最近は少なくなってきましたが、一昔前のアナログコードレス電話の場合、市販のレシーバで簡単に会話を聞く事が可能です。

このためネット等を使って、自宅で使っているコードレス電話が、アナログかデジタルかを確認しておきましょう。

デジタルの場合、音声にするための独自の復調回路が必要ですので、盗聴されないと思って構いません。

ちなみに以下の機種は全てデジタル対応です。



ところで、デジタルにしたら安心だと言いながら申し訳ありません。

実はコードレス電話をデジタルにしても、電話回線の途中に盗聴器が仕掛けられた場合、また盗聴される危険性があります。


電話回線の途中に盗聴器が仕掛けられたらデジタルコードレス電話でも盗聴される

この盗聴器は、回線が繋がったとき(通話中)だけ発信して、尚且つ電話回線から電源の供給を受けますので、半永久的に動き続けます。

このため、電話回線を辿って下の写真の様な怪しい機器が繋がっていないか確認する事をお勧めします。

  
電話回線の途中に接続されるローゼット型盗聴器

もしそれが難しい場合は、むしろデジタル信号で高度な暗号システムが使われている携帯電話の使用をお薦めします。

携帯電話会社もこの部分は最もセキュリティーを強化している部分ですので、たとえ携帯会社の職員であっても携帯電波からの盗聴は不可能と思って良いと思います。

と今までは書いていたのですが、はじめにでも述べました様にアメリカのNSA(National Security Agency 国家安全保障局)によって、携帯電話の盗聴が実際に行なわれました。


ただし調べてみた所、盗聴されたのは一世代前の携帯との事ですので、最新の携帯を使っている限りは安心しても良いと思います。

ところで、”携帯電話での話中に自分の話声がスピーカーから聞こえたらと盗聴器があるかもしれない”とのネット記事がありますが、デジタルの携帯電話ではあり得ない事です。

矛盾するかもしれませんが、本記事を含めて全てのネット情報を100%信じてはいけません。




6)無線LAN対策

以前から心配されていながら、ついつい見過ごされてきたのが、無線LANです。

有線のネットワーク接続ですと絶対とは言えないまでも、二重三重にプロテクトされており、余程の事がなければハッキングされる事はありませんが、無線LANからですと比較的に侵入し易いのが実情です。


これで自宅のLANに侵入すれば、最悪PCの中身を覗かれますので、その被害は甚大です。

とは言え、ならば何をすれば良いのか分からないのが実情ではないでしょうか?

そういう貴方は是非以下をやって下さい。

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①先ず無線LANを使っている場合は、無線は止めてLANケーブルでPCとインターネット機器(ルータ/ハブ等)に接続する事をお勧めします。

②それができない場合は、ネットを使用しない夜間、あるいは外出時は無線LAN親機(アクセスポイント)の電源を切って下さい。(これだけでもパスワードの解析ができなくなるので、かなりの効果があります)

③さらにもし多少の知識があれば、無線LANのセキュリティーレベルを以下の様により強固な方(右下側)に上げて下さい。


古い機器ほど左上の暗号機能しかありませんが、最近の無線LANでしたら、一番右上の”⑥WPA2+AES”の設定が可能だと思いますので、是非チャレンジしてみて下さい。

なお最新機器であっても、知らずに一番設定が簡単なWEPで接続している可能性がありますので、ご注意願います。

④また同時に無線LANのパスワードは、例えば以下の様に、長くて(制限一杯で)ランダムなものにして下さい。

SgX3uwaIir6TUwD4RlpMn0hxZsdWQLHTnJug

⑥もし無線LAN親機がお使いのPCの近くでしたら、親機の出力レベルの最小にして下さい。

どれも非常に手間ですが、手間を惜しむと狙われ易いという事です。


7)Bluetooth対策

近距離通信のため従来は然程問題視されていませんでしたが、Bluetoothによるハッキングも徐々に問題視されてきました。

手口としては、古いBluetoothのファームウェア上の欠陥を悪用して他人のモバイル機器に不正アクセスしたり、Bluetooth経由で有害メールを送信してアドレス帳を乗っ取ったり、最悪の場合モバイル機器を完全に掌握して、通話の盗聴やメッセージの転送等を知らないまに行われる可能性すらあります。

これを防止する一番簡単で効果が最も高い方法は、Bluetoothを使わないときはBluetoothをOFFにする事です。


Bluetoothを使わないときはBluetoothをOFFにする

なおモバイル機器のバッテリー管理アプリには、Bluetoothを自動でOFFする機能が備わっていますので、気になる方はインストールする事をお勧めします。


8)携帯電話ハッキング対策

前段で述ました様に、携帯電話はデジタル信号で高度な暗号化が行われているので、盗聴はほぼ不可能とお伝えしました。

それではNSAの様な国家レベルではなく、イギリスメディアによる携帯電話の盗聴は、どうやったのでしょうか?

なんと携帯電話の電波を盗聴したのではなく、携帯電話会社の留守番電話サービスに不正アクセスし、そこに保存されたメッセージ(留守録)を盗み聴きしたとのです。

これは携帯電話自身に残る留守録ではなく、携帯の電源が切られていた場合に、携帯電話会社のサーバーの保存された留守録です。

日本でも盲点になっていますので、これを防止するために、直ちに以下の対応を取って下さい。

①携帯のパスワードを分かり難い番号に変更する。(もし誕生日や、0000のままでしたら非常に危険です。ただちに変更して下さい)

②留守電にはメッセージを残さない。

③携帯電話会社の留守番電話サービス(有償)を停止する。(これをすれば完全に防げます)



9) スマートフォン対応

最近増えているのが、自分のスマートフォンが知らぬ間に他人の盗聴器になっているケースです。


スマホは四六時中、貴方と一緒に行動していますので、考えてみれば部屋に盗聴器を仕掛けられている以上に恐ろしい事です。

これはどういう仕組みかと言えば、貴方のスマホに”紛失・盗難対策アプリ”をインストールして、遠隔操作で貴方のスマホのデータを読み取るものです。

具体的にそれで何ができるかと言うと、位置情報取得、通話履歴の傍受、遠隔録音、カメラ撮影まで、何でもできてしまいます。

ではそのアプリのインストール方法ですが、貴方がスマホから目を離した隙や、或いはセキュリティーソフトだのと言って知らぬ間にインストールされるのです。

またそのアプリは、メニューにも表示されません。


対策としては、パスワードの設定は当然として、決して他人に自分のスマホを使わせない事です。

またもしその様なアプリが入っていないかどうしても気になる様でしたら、必要なデータのみバックアップを取ってから、スマホを1度工場出荷状態に戻してしまう事です

少々手間ですが、やる価値はあります。

そしてリカバリー(復元)が完了したら、位置情報サービスは必ずOFFにしておきましょう。

iPhoneの場合、設定→プライバシー→位置情報サービスですぐにOFFできます。

これがONのままですと、貴方が撮った写真や、貴方がSNSに投稿した場所まで記録されてしまいますので、十分ご注意願います。


10)LINE対応

日本で無料通話アプリの代表格であるLINEも、ユーザー数が既に3億人にも達した事から、ハッカーに狙われる危険性が高くなってきました。

おまけに管理元のLINE(株)も若い会社であり、尚且つ無料で開放している事から、何があっても一切責任を取らないで済むため、本気でセキュリティー対策に力を入れていない分、その脆弱性は天下一品です。

特に2014年に発生したLINE乗っ取り、あるいは2015年の芸能人のLINE情報漏えい、2016年のLINEによる詐欺の悪用等が取り沙汰されていますが、表面化していない問題は多数発生しています。

このため、使わないのが一番良いのですが。

もしどうしてもとなったら、以下の対応を図る事をお勧めします。

①下記手順でパスコードロックを設定する。

「その他」→「設定」→「プライバシー管理」から「パスコードロック」


②下記手順で、アカウントのパスワードを変更する。

[その他]→[設定]→[アカウント]→[メールアドレス登録]→[パスワードの変更]


③スマートフォンのLINEに送られる認証番号を他人に知られない様にする

パソコン/タブレット版LINEにログインするためには、スマートフォン版LINEに送られるランダムな認証番号の入力が必要となります。


認証番号は誰にも漏らさない

この認証番号を、決して他人に知られない様にします。

なおこれだけではまだまだ不十分ですので、自分のメッセージを暗号化して送りましょう。

詳細については、こちらをご参照願います。


11)SNSには手を出すな

もし貴方が、どうしても人に知られたくない何らかの秘密を持っているのでしたら、決してSNS(フェースブック、トゥイッター、インスタグラム、ユーチューブ等)に投稿してはいけません。


相手の秘密を探ろうとしている人間は、間違いなくそこから貴方の情報を得ようとします。

投稿数が多ければ多いほど、見つかる可能性が高くなりますので、決して手を出さない事です。

また身内の投稿から、貴方の動向が漏れる恐れもありますので、もし緊急事態であれば、身内にもSNSに投稿しない様にお願いすべきです。


12)ゴミ出しに注意

これは余りにローテクなので従来記載していなかったのですが、気になる方はゴミ捨てについても、細心の注意を払いましょう。


粉砕すべき物は、単に重要な書類だけでなく、自分とゴミを結び付ける可能性のある全ての物です。

またこれも十分ご存じだと思いますが、PCの廃却においては、必ずハードディスクの完全消去(ランダムデータの上書き)が必要です。


ファイル消去ソフト(File Shredder)でメモリーを完全消去

もしソフトによる消去が不安な場合は、ハードディスクを分解して、中の磁気ディスクに傷を付ければ完璧です。

  
中央の円盤が磁気ディスク        磁気ディスクが2枚有ります

なおハードディスクを筐体ごと壊しても、中の磁気ディスクが無傷ならば再生できる事がありますので、ディスクにしっかりダメージを与えておく事が必要です。

またもう一つ注意しなければならないのは、ディスクには表裏の両面があるという事です。

ですので、表面だけ傷を入れて安心しないで下さい。

また中には磁気ディスクが複数枚組み込まれたハードディスクがありますので、全てのディスクに傷を付ける事を忘れないで下さい。

ついでに言うと、USBメモリー、あるはメモリーカード、更には携帯電話においても、単純に内部のデータを消去しただけでは、市販の復元ソフトで再生できます。

ハードディスクと同じ様にソフト的なデータの完全消去か、分解してメモリー素子の破壊が必要です


13) 電話は常に掛け直す

オレオレ詐欺もそうですが、電話にも十分注意が必要です。

てっきり知り合いだと思っていたら、別人の可能性もありますし、会社や学校、或いは公的機関や宅配便を装って不審な電話が掛かってくる可能性も十分あります。

ですので、掛かってきた電話に対しては、基本的に全て掛け直す様にしましょう。

具体的には、要件を聞いた後、確認後こちらから電話すると言って、相手側の電話番号と名前を聞き出します。

もし本当に怪しい電話でしたら、それだけで撃退する事が可能です。


14)気になる事があったらメモする

この話も、ここでしておきましょう。

気になる事があったら、コマ目にメモをしておきましょう。

では気になる事とは一体何かですが、以下の様な事柄です。

①自宅周辺に、見かけない車が停まっていた。


自宅近くに見かけない車が停まっていたら写真を撮る

②自分しか知らない事を、人から言われた。
③間違い電話があった。
④知らない人に道を尋ねられた。飲み屋で声を掛けられた。
⑤身に覚えのない物が郵送された。

必要以上に疑心暗鬼に陥る必要はないのですが(大半が気のせいですが)、もし貴方が本当にターゲットになっているとしたら、これらの情報が後々非常に有効な情報となります。

メモするのが手間でしたら、関連する物を手っ取り早くスマホで写真を撮っておくのも有効です。

また見知らぬ人からの電話でしたら、録音する癖を付けておきましょう。

気になったら記録する。

現代人の鉄則です。


反転攻勢


ここまではどちらかと言えば受け身の対応でしたが、これから徐々に攻撃に転じます。

ご存じの通り攻撃は最大の防御です。

でも相手が分からないのに、どうやって攻撃できるのかと思われるでしょう。

簡単です。

いくつか手がありますので、ご紹介します。

1)嘘の情報を流す

先ずは嘘の情報を流す事です。

盗聴相手は、間違いなく貴方より自分の方が優位に立っていると思っていまし、よもや自分より弱い相手から攻撃されるとは夢にも思ってもいません。

それを逆手に取って、相手を混乱させ操るのです。

例えばですが、盗聴されていると思われる場所で、誰かに電話をするフリをして、嘘の待ち合わせの時間と場所を伝えます。


相手の裏の裏をかく

もし本当に盗聴されているのでしたら、盗聴者はノコノコこの集合場所に現れるかもしれません。

或いは、もし誰かに気になる事を言われたら、関連する嘘の情報を流します。

それで何か事態が変われば、誰に盗聴されているか、かなり絞り込めてきます。

また先ほどSNSには手を出さない様にとお伝えしましたが、いざとなればこれに嘘の情報を投稿して、相手の反応を見守る手もあります。

盗聴やハッキングとの戦いは、情報戦というよりむしろ心理戦なのです。


2)罠を仕掛ける

次は罠を仕掛ける事です。

罠と言っても、熊や猪を捕まえる罠ではありません。

防犯カメラです。

具体的には、室内(もしくは屋外が見渡せる場所)に防犯カメラを設置しておきましょう。

これだけは費用が掛かりますが、警備会社に依頼するより余程安価ですし、信頼度も上です。

以下は市販の防犯カメラですが、動く物があると自動で撮影を開始し、動きが無くなると自動で停止する優れ物です。

     

ですので、万一不審者が侵入した場合に備えて、これを室内が見渡せる場所で、且つ人目に付き難い場所にセットしておきます。

既にお気づきの様に、これらの機器は逆に盗撮器にもなるのですが、正しく使えば防犯カメラになるという訳です。

更に付け加えると、これに限らずあらゆる物は、人間の使い方次第で毒にも薬になるという訳です。

なお万一侵入者がこのカメラに気が付いて持ち去る場合に備えて、なるべく自分のプライベートな姿が写らない所に設置するのが理想です。

ここで一つ面白い事をお伝えします。

防犯カメラはできれば複数セットし、必ず一つは目立つ所に置いておく事です。

この理由は、もし侵入者が防犯カメラの存在に気が付いた場合に、精神的なストレスを与えるためです。

侵入者としては、自分が防犯カメラに映った事に対する焦りと共に、もしかしたらダミーの可能性もあるカメラを持ち帰るか、それとも残しておくかで混乱するという訳です。

侵入者と言えども同じ人間です。

不足の事態が発生したら、次々にミスを誘発します。

そうなれば、こっちのものです。

ところで、上図一番右のパナソニック製の犯カメラですが、ネットワーク対応ですので、不審者を検知すると自動で携帯にメールする機能、或いは外出先から室内の状況を確認する機能等を備えています。

多少高価ですが、一人住まいでしたら思い切って購入する価値はあると思います。


犯人が身近に居る場合


最後にお伝えするのは、盗聴器を仕掛けた犯人が知り合いや身内のケースです。

1) 犯人は知り合いだった

現実的な話をしますと、全く赤の他人が貴方の部屋に忍び込んで、盗聴器や盗撮器を仕掛けて、それを後日回収するとか、電波で飛ばして路上駐車のクルマの中でモニターするというのは、とてつもなく難しくてリスクがあります。

ですので、余程の事が無ければ行なわれないと思うのが妥当です。

ところが、知り合いや身内であれば、貴方の部屋に盗聴器や盗撮器を仕掛けるのは、いとも簡単な事です。

盗聴器とは言わないまでも、ゴミ箱のレシートや引出の中の会員権カードを見るだけで、どこで何をしていたかぐらいは簡単に分かります。

この場合の対策としては、常時自分の部屋に鍵を掛けるか、やはり自分の部屋に監視カメラを置くのが一番の様に思います。


2) 犯人は自分だった

最後は、盗聴の犯人が自分だったという、笑えない話です。

と言っても、自分が自分を盗聴するため自分の部屋に盗聴器を仕掛けたという話ではありません。

ではどんな話かと言えば、自分で自分の秘密を漏らしている場合です。

例えば、最近貴方がスポーツクラブに通うようになった事を、中の良い友人に話したとします。

するとその話を、友人がまた別の友人に話したとします。

すると別の友人が、たまたまあるスポーツクラブの前で貴方を見かけたとしたら、どこのスポーツクラブにいつ通っているかが分かります。

それが回り回って貴方の耳に届くと、誰かに盗聴されているのではないかと思ってしまうという訳です。

通常この様な事は、偶(たま)にしか起きないのですが、目立つタイプの人は何かと話題に上るので、情報が集まり易くなるのは事実です。

実際数人が集まって話す内容としては、人の噂話ばかりなのはご存じの通りです。

ですので、もし目立つタイプの方でしたら、余り周囲の人に自分の事を余り話さないのが得策です

また外出時も、(マスクとサングラスで変装しろとは言いませんが)極力目立たない格好にするのが無難です。


まとめ


ここまですれば、実際に盗聴器や盗撮器が仕掛けられたとしても、今以上の情報が漏れる事はないと思います。

取り敢えず(誤解を含めて)これで防止策が分かった所で、それでは次に盗聴器・盗撮器にはどんな物があるか詳しく見てみましょう。




2. 今すぐできる盗聴・盗撮防止策
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