小学生でも分かるデシベル(dB)の話




1. 概要



1.1. はじめに


音の大きさや、電波の強さをデシベル(dB)で表示しますが、この正体を正確にご存知の方は意外に少ない様です。

かと言って、説明書を読むと突然難しい数式が出て非常に分かり難いので、ここでは小学生でも分かる様に順を追ってご説明したいと思います。


1.2. デシベル


例えば、図書館の音の大きさが40デシベル、一般的な会話が60デシベル、電車内が80デシベル、という話は耳にされた事があると思います。

これからすると、どうも数値が高くなるほど音が大きくなるというのは、何となく分かって頂けると思います。

また図書館の音と一般的な会話の音の大きさの差は、20(=60-40)デシベルというのも、抵抗なく分かると思います。

それでは、この20デシベルの差とはどの程度の差なのでしょうか?

少し遠回りになりますが(でもこれこそがデシベルの本質を理解する最短の道なのです)、先ず”デシベルの差”から話を進めたいと思います。


1.3. デシベルと倍率の関係


先に答えを言いますと、20デシベルの差とは、実際に測定器を使って音の大きさ(音圧)を測定した場合で10倍の違いになります。

これをもう少し例を増やして表にすると、下の表の様になります。

デシベルの差 倍率
0デシベル 1倍
6デシベル 2倍
10デシベル 3倍
20デシベル 10倍
40デシベル 100倍
60デシベル 1,000倍
80デシベル 10,000倍
100デシベル 100,000倍
120デシベル 1,000,000倍

上記を見て、何となく分かってきませんでしょうか?

そうなのです、デシベルとは倍率で表示すると桁数が非常に大きくなって分かり難くなってしまう数値を、桁数を抑えて比較的分かり易い数値にするために考えられた表示方法なのです。

余談ですが、人間が直感的に判断できるのはせいぜい3桁までです。

なお一部の文献に、デシベルとは人間の聴覚に合わせた音の単位という記述が見受けられますが、これは明らかに間違いで、桁数を小さくしたら結果的に人間の感覚にも近づいたという訳です。

音以外にもデシベル表示するものはいくつもあります。

またデシベル同士の引き算(60-40=20デシベル)は、倍率(10倍)を表す事も、上表から何となく分かって頂けたと思います。


1.4. ベルと倍率の関係


上段はデシベルの差と倍率の関係を説明しましたが、実はデシベル(dB)以外にベル(B)という単位も存在しています。

これを記述すると以下の様になります。

ベルの差 倍率
0ベル 1倍
0.6ベル 2倍
1ベル 3倍
2ベル 10倍
4ベル 100倍
6ベル 1,000倍
8ベル 10,000倍
10ベル 100,000倍
12ベル 1,000,000倍

前述のデシベルと比べて1桁少ない分すっきり感があるのですが、通常の使用においては小数点表記(2倍、3倍、5倍等の10倍以下の倍率)が多くなる事から、ベルを10倍したデシベルの方が広く使われるという訳です。

なおご存じだと思いますが、dBのd(デシ)が1/10を示す桁数を表す単位で、B(ベル)が電話を発明したグラハム・ベルの名前から来ています。

またついでにお伝えしておきますと、12月の英語であるDecemberのDecemはラテン語で10を表しており、このd(デシ)の語源になっています。

本来10であるDecemが何故12月になっているのかは、July(7月)とAugust(8月)が途中で割り込んだせいなのですが、これは歴史の教科書に委ねます。




1.5. デシベルと音の関係


デシベルと倍率の関係が分かった所で、今度はいよいよデシベルと音の関係を説明しましょう。

下のリストの左側は前段の記述と全く同じで、右側に音の大きさ(赤字)を追加しました。

デシベルの差 倍率 音の大きさ
0デシベル 1倍 人間の聴力限界
6デシベル 2倍 それより少し大きな音
10デシベル 3倍 静かな息
20デシベル 10倍 葉のカサカサ音
40デシベル 100倍 静かな図書館
60デシベル 1,000倍 一般的な会話
80デシベル 10,000倍 目覚まし時計
100デシベル 100,000倍 地下鉄の電車
120デシベル 1,000,000倍 飛行機の爆音

上記を見て、説明なく分かって頂けるのではないでしょうか?

前段で説明しました様に、デシベルとは桁数を抑えて倍率を表示する方法(相対値)なので、このままでは音の大きさ(Pa)や重さ(g)や長さ(m)の様な絶対値を表す事ができません。

ですが、ある基準になる音の大きさを0デシベル(1倍)とすれば、それより何倍かで色々な大きさの音をデシベル表示の絶対値で表す事ができます。

音の場合、人間が聴く事ができるギリギリの小さなを音(音圧レベルの場合20μPa)を基準値(0デシベル)として、それより何倍かという事で音の大きさを表します。

ですから、今までデシベルは相対値(他と比較するための値)として説明してきましたが、”人間の聴力限界”の音量を0デシベルにしますと決めた瞬間に、以下の様に絶対値として表示ができるという訳です。

音圧レベル 倍率 音の大きさ
0デシベル 1倍 人間の聴力限界
6デシベル 2倍 それより少し大きな音
10デシベル 3倍 静かな息
20デシベル 10倍 葉のカサカサ音
40デシベル 100倍 静かな図書館
60デシベル 1,000倍 一般的な会話
80デシベル 10,000倍 目覚まし時計
100デシベル 100,000倍 地下鉄の電車
120デシベル 1,000,000倍 飛行機の爆音

具体的には、今まで”デシベルの差”(相対値)と書いていた項目を、絶対値である”音圧レベル”に書きなおす事ができました。

さらにこれに、先ほどお話した音圧を加えると、以下の様になります。

音圧レベル 音圧(μPa) 音の大きさ
0デシベル 20 人間の聴力限界
6デシベル 40 それより少し大きな音
10デシベル 60 静かな息
20デシベル 200 葉のカサカサ音
40デシベル 2,000 静かな図書館
60デシベル 20,000 一般的な会話
80デシベル 200,000 目覚まし時計
100デシベル 2000,000 地下鉄の電車
120デシベル 20,000,000 飛行機の爆音

どうです。非常に簡単でしょう?

これで貴方は、デシベルの基本を完全に理解したと言って良いと思います。


1.6. 概要のまとめ


以上をまとめますと、以下の通りです。

①デシベルとは、桁数を抑えて感覚的に分かり易い数値にするために考えられた表示方法である。

②またデシベルとは、グラム(g)やメートル(m)の様に自然界の絶対値を表す単位ではなく、パーセント(%)の様に比率や倍率を表す相対的な単位である。

③0デシベル(1倍)をある自然界の基準値と決める(統一する)事で、自然界の数値(絶対値)もデシベルで表示する事ができる。

④通常ゼロというと、何も存在しない事を意味するが、0dBとは1倍の事を指しており、パーセント表示の100%と同じ意味である。



恐らくこれで8割がたデシベルをご理解頂いたと思うのですが、もしもう少し詳しく知りたい方がありましたら、是非続きをご覧下さい。

デシベルの元になった対数とは何か、デシベル表示をグラフで表したらどうなるか、更にデシベルの計算方法、録音レベルメーターの見方等載せています。




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