小学生でも分かるデシベル(dB)の話
4. 音量のdB表示方法
4-1. はじめに
本書は当初デシベルの説明を主目的にして立ち上げたのですが、音量に興味を持たれている方が非常に多いので、これについてもう少し詳しく述べておきましょう。
式が多くて難しいので、興味のある方のみお読み下さい。
さて、今まで音の大きさについては、音圧レベルと音響パワーレベルの2種類あるとお伝えしましたが、正確には全部で4種類も存在します。
# | 名称 | 種類 | 英語名 |
① | 音圧レベル | フォース | Sound Pressure Level |
② | 騒音レベル | A-weight Sound Pressure Level | |
③ | 音響パワーレベル | パワー | Sound Power Level |
④ | 音の強さレベル | Sound Intensity Level |
新たに出てきた②騒音レベルですが、テレビや新聞等で出てくるのは、恐らく①音圧レベルを補正したこの②騒音レベルの事だと思って良いと思います。
ただしそれを扱うレポーターも記者も、騒音計の表示値が①音圧レベルなのか②騒音レベルなのか、正確に認識されていないでしょうから恐らくとしています。
また下段に位置している③音響パワーレベルと④音の強さレベルについては、音のパワーを測定する必要がありますので、密閉された無響室(6面とも無反射)もしくは半無響室(床以外は無反射)で測定する必要があります。

半無響室
それでは、4種類を見ていきましょう。
4.2. 音圧レベル(Sound Pressure Level)
音圧レベルとは、音による気圧の差をデシベルで表示したものです。
この場合、20μPaの音圧(気圧差)を基準値P0(0dB)として、以下の式で求められます。
音圧レベルLp=10log(P/P0)m2=20log(P/P0)
これは純粋に音の圧力を示しており、次の騒音レベルの元になっています。
4.3. 騒音レベル(A-weight Sound Pressure Level)
人が感じる音の大きさは周波数によって異なるため、人の感覚に近付ける様に補正した音圧レベルを騒音レベルと呼びます。
この場合P0は①と同じ20μPaを基準P0(0dB)として、重み付けしたPaを使って以下の式で求められます。
騒音レベル LA =10 log (PA / P0) m2 = 20 log (PA / P0)
騒音計の仕様書に、JIS C 1509(国際的にはIEC 61672A)準拠と書かれていたり、A特性と付いていたり、単位がdBAとなっていたら、この事です。
またこれ以外にC特性(大きい音の聴感に近似)やZ特性(フラット)、更には時定数としてFastとSlowも存在しますが、詳しくは音響工学に委ねます。
なおもしどうしても最適な設定が分からない場合は、取り敢えずA特性のFastで測定しておけば、大きな間違いは無いかもしれません。
高い騒音計
ところで上の騒音計と下の騒音計ですが、値段が一桁以上異なります。
安い騒音計
違いは何か分かりますでしょうか?
違いは、その測定値を保証できるかどうかです。
下段の様な簡易的な測定器の場合測定値が保証されていないため、個人的に使う分には全く問題ないのですが、取り引き等の公式な用途には使えません。
ですので、もし日本で公的に使える騒音計が必要でしたら、値段で判断するのではなく、計量法第 71 条(合格条件)に適合しているかどうか販売店に確認する必要があります。
4.4. 音響パワーレベル(Sound Power Level)
音響パワーレベルとは、音のパワー(単位時間当たりのエネルギー)をデシベルで表示したものです。

半無響室での音響パワーレベルの測定風景
この場合、10の-12乗W(ワット)を基準W0(0dB)として、以下の式で求められます。
音響パワーレベルLw=10log(W/W0)
複写機やエアコンの室外機に記載されている稼働音がこれになります。
4.5. 音の強さレベル(Sound Intensity Level)
音の強さレベルとは、音の進行方向に対して垂直な1m四方の平面を通過する音のパワーをデシベルで表したものです。
この場合、10の-12乗W(ワット)/m2を基準I0(0dB)として、以下の式で求めらます。
音の強さレベルLI=10log(I/I0)
なお面白い事に、常温、常圧であれば、④音の強さレベルは①の音圧レベルと同じなります。
また同じ様に、全く音の反射しない場所で①音圧レベルを測定すると、②の音響パワーレベルが求められます。
上記は、デシベルの計算においてフォースとパワーをそれぞれ10倍と20倍する事に関係します。
4. 音量のdB表示方法/小学生でも分かるデシベル(dB)の話