断水復旧後にトイレが破裂するというのは
嘘(デマ)か真実(まこと)か?

2019/10:発行


1. はじめに


恐らくある程度の知識ある方でしたら、笑ってしまうかもしれません。

今どきのネット上には、以下の様なデマ情報がまるで真実の如く拡散されているのですから。


Twitter上に堂々と流れるデマ情報

もし断水が復旧する度に水洗タンクや洗浄便座が頻繁に破裂したら、恐らく日本の水洗タンクメーカーや洗浄便座メーカーはそれらの製造を諦めないにしても、大騒ぎになるでしょう。



なぜならば、それに関する注意文は操作説明書には一切記されていませんので、万一ユーザーがそれでケガでもしようものなら間違いなくPL訴訟の対象となり、高額の賠償金を支払う事になるからです。

とは言え、水洗タンクや洗浄便座に詳しくない方でしたら、こんなデマ情報でも不安になるのも無理からぬ事と言えます。

という訳で、いつもの通り本サイトが分かり易く本デマ情報のデマぶりを徹底的に暴いて差し上げたいと思います。


水洗タンク


それでは先ず、水洗タンクの話から進めたいと思います。

これは下の図にあります様に、便器を洗浄するための水を自動で貯えるタンクです。


そしてその機構は、レバーを引くと排水管を塞いでいるゴムフロートが持ち上がり、水洗タンクに溜まった水が一気に便器に流れます。

すると水洗タンクの水が低下して浮き球も下降するので、浮き球に繋がったピストンバルブが開き、自動的に上部の手洗いノズルから水が出て、タンクが一杯になると(浮き球が上面に達すると)自動的に水が止まるという、極めて単純な仕掛けです。

ちなみに、水道水がどう流れるかと言えば、水色の矢印にある様に壁の水道パイプからピストンバルブを経由して手洗い管に流れます。(ボールタップとは浮き球とピストンバルブを含めた部分の総称)

すなわち、ハンドルの代わりにピストンバルブと呼ばれる止水弁があるだけで、台所にある蛇口と全く同じなのです。

それを知った途端に、沸々(ふつふつ)と疑問が湧いてきませんでしょうか?

それで何故断水復旧後に水洗タンクが破裂するの?

この管のどこかが爆発でもして、水洗タンクを破裂させるの?

そんな事、在り得ないだろう!

と言いたくなるのですが、それでは話が終わってしまうので、もう少し続けましょう。


断水復旧後に何が起こるか


それでは次に、断水が復旧したらどうなるかお話します。

これも経験があると思うのですが、断水復旧後に水道から水を出すと、暫くは濁った水が出てくると共に、ハンドルを捻(ひね)って蛇口から水を出した直後はゴボゴボとせき込んだ用に水が出てきます。

これは、断水中に水道管内に入り込んだ空気が押し出されてきたからです。

何故せき込んだ様に水が出てくるかと言えば、水道管の中の空気が圧縮された状態で閉じ込められていたのが、蛇口を開けると瞬間的に開放されるからです。

丁度空気入れを使って自転車のタイヤに空気を入れ終わって、空気入れの先端をタイヤの空気バルブから外すと、(空気入れの中の圧縮された空気が)プッシュと音を立てて開放されるのと同じ様なものです。


空気入れの先端を外すと圧縮された空気が勢い良く大気中に放出される

話は水道に戻って、それがどの程度の勢いかと言えば、人がせき込む程度のゴボゴボといった程度ですので、とても水洗タンクの管を破裂させる程の力はありません。


空気と濁った水が水洗タンクに流れたらどうなるか?


にも関わらずあのデマ情報においては、その水道管に入った空気が断水復旧後に水洗タンクの管に流れたら、水洗タンクを破裂させる可能性があると言っているのです。

では本当にそんな事が起こるのかを、じっくり検証してみましょう。

この場合、断水中の水洗タンク内の水位と止水栓が締めてあったかどうかによって以下の3通り(正確には4通り)のケースが考えられます。

ケース1:水洗タンクが空(もしくは水位が低下している)の場合

先ずは断水中に水洗タンクの水が空になっている(もしくは水位が低下している)場合です。

この場合、断水復旧と同時(何もしなくても)に先ほどの青い矢印に沿って水が手洗い管から出てきます。

断水復旧直後ですので、このときゴボゴボとせき込んだ様に濁った水が出てくるでしょう。

ですがそれだけの事で、これで水洗タンクが破裂する事は決してありません。


ケース2:水洗タンクが満タン

次は、断水中でも水洗タンクの水が満杯になっている場合です。

その場合、断水復旧と同時には水が手洗い管から出てきませんが、レバーを上げてタンク内の水位が下がったら水が手洗い管から出てきます。

この際、もし水道水が一番最初に流れるのが手洗い管であれば、ゴボゴボとせき込んだ様に濁った水が出てきますが、ケース1と同様これで水洗タンクが破裂する事は決してありません。


ケース3:断水中に止水栓を締めた場合

次は、(非常に稀でしょうが)断水中に止水栓を締めた場合です。


止水栓を締めると断水が復旧しても水は出ない

この場合、もし水洗タンクの水が空になっていれば、断水復旧後止水栓を開ければすぐに手洗い管から水が出てきます。

このとき、もし水道水が一番最初に流れるのが手洗い管であれば、ゴボゴボとせき込んだ様に濁った水が出てくるかもしれませんが、これで水洗タンクが破裂する事は決してありません。

またもし水洗タンクの水が満杯になっているとしたら、レバーを上げてタンク内の水位が下がったら水が手洗い管から出てきます。

このときも、もし水道水が一番最初に流れるのが手洗い管であれば、ゴボゴボとせき込んだ様に濁った水が出てくるかもしれませんが、これで水洗タンクが破裂する事は決してありません。

長々と書きましたが、何をどうやっても水洗タンクが破裂する事などあり得ないのです。


洗浄便座の場合


これでもう十分と思われているかもしれませんが、次に洗浄便座の場合も説明しておきましょう。

洗浄便座への給水方法はいくつかあるのですが、ここでは下の図の様に最も一般的な直接水道管と繋げる方式を考えてみます。


この場合も、デマ情報にある様に断水復旧直後に使った場合を考えてみます。

便座に座って、洗浄ボタンを押します。

すると便座が破裂します。

と言いたい所ですが、何と言う事もなく空気と濁った水がノズルから出ます。

それだけです。

もしかしたら空気が洗浄便座のタンクに入ると温水ヒーターがオーバーヒートするのではないかと思われるかもしれませんが、タンク内には温調回路が設けられていますので、オーバーヒートする事はありません。

更に万一温調回路が壊れた場合に備えて、タンクにはサーモスイッチと呼ばれる二重の安全装置まで付いているのです。

ですので、例え洗浄便座に空気が入っても決してオーバーヒートする事はありません。

また、もしかしたら圧縮された空気が洗浄便座のタンクを破裂させるのではないかと心配される向きもあるかもしれませんが、それもありません。

なぜならば、設置時直後も水圧の掛かった圧縮された空気がタンクに入っていますが、それでタンクが破裂した事などないからです。

という訳で、このデマ情報は、全く以って根も葉もないデタラメの情報だという訳です。





ハフポスト(Huffpost)のフェイク記事


できればこれで終わりにしたい所なのですが、このデマ情報にはとんでもない黒幕がいるのです。

それが以下にご紹介するハフポスト日本語版(USAのハフポストと朝日新聞社との共同ネットメディアで、朝日新聞が執筆)の記事です。

恐らくこのデマ情報の作者はこの記事からヒントを得て、これを作成したのでしょう。

ですので、もしかたらこの記事こそが諸悪の根源かもしれません。

という訳で、この記事をじっくり検証してみたいと思います。

なお原文は青字で、本書のコメントを黒字で記しています。

断水後、最初にトイレを流したらダメ? 
水道の復旧で気を付けること《西日本豪雨》

台所の蛇口から流すと安全という


2018年07月13日 19時15分 JST
更新 2018年07月17日 12時53分 JST

Shino Tanaka

西日本を中心とする豪雨の影響で、各地で断水が続いている。厚生労働省によると、1週間が経った7月13日午前5時現在で、四国地方や中国地方など10府県の20万7508戸で水が出ない状態だ。

一方、約5万5千戸で水道が復旧したが、断水の解除の際にトイレを最初に流したことで、「トイレが壊れた」といった声がTwitterで上がった。


Twitterで”トイレが壊れた”との発信が記事の発端なのは良いのですが、そのtwitterがいつアップされたのでしょうか?

そして何件似た様な報告が寄せられたのでしょうか?

てっきりこの後、具体的にトイレの何がどう壊れたのか、そしてそれがいつ、どこで、何件あったのかの話があると思いきや、そんな記述は一切ありません。

早い話が、トイレが壊れたのが真実かどうかも不明なのです。

ニュースの基本は5W1Hだったと思うのですが、最近のニュース記事はそんな事はどうでも良い様です。

これから先が思い遣(や)られる出だしですが、いずれにしろ何が起きたのか正確に把握しないで本取材が進められたのは間違いなさそうです。

おっと言い忘れした。

表題の”最初にトイレを流したらダメ?”にも注目して下さい。

どうやったらトイレを流せるんでしょうか?

ニュース記事は日本語の規範だと思っていたのですが、それはもう遠い昔の事の様です。

空気で故障の可能性。でも通常は大丈夫

このサブタイトルもヒドイの一言です。

NGだけどOKです、あるいはマズイけどオイシイです、と言われて読む方としてはどう判断すれば良いのでしょう?

申し訳ないのですが、この記事は間違いなく論理的思考を欠いています。

東京都水道局によると、陶器の破裂や、爆発的にあふれるといったことは考えにくいが、非常事態では、できるだけ特別な器具のついていない台所の蛇口や、洗面所の蛇口から開くことが望ましいという。

ここで唐突に”陶器の破裂”という衝撃的な言葉が出てきました。

既に分かっている事は、Twitterで”トイレが壊れた”と発信された事だけです。

にも関わらず、なぜいきなり陶器の破裂という言葉が出てきたのでしょう。

恐らくこれは、この記者が勝手に断水復旧直後にトイレを使うと水洗タンクもしくは便器が破裂するのかと尋ねたのでしょう。

話をどんどん大きくしたい気持ちが見え見えです。

とは言え、ここで重要なのは”水洗タンクの破裂や、爆発的にあふれるといったことは考えにくい”、という東京都水道局の素直なコメントです。

そもそも仮定の質問ですから、答える方もこれ以上は無理でしょう。

すなわち水道局のプロも、営業上控え目な言い方ながら(ハンマーでも持って叩かない限り)水洗タンクが破裂するなどあり得ないと思っているという訳です。

断水の際は工事によって自治体が管理している配水管内に空気が入ることがある。通常の工事では、これらの空気を抜く充水作業が行われているので、空気だまりができることはない。

ただ、今回の災害のような緊急事態では、復旧作業中にたまたま管内に空気が入ってしまうことも考えられる。


ここでも突然、空気だまりの話が飛び出してきました。

もしかしたら空気だまりの話も、記者からしたのではないでしょうか?


トイレのタンクの中には水位調整をするボールタップが入っている

またこの挿入された写真も意味深です。

そもそもこの写真にある水洗タンクはかなり特殊なもので、写真には一般的なボールタップ(浮き球とピストンバルブを含めた部分)は無いのです。

故意なのでしょうか?

管内に空気が入った場合、空気だまりで水位が安定しないことで、トイレのタンクで水位を調節し、水の出を制御する「ボールタップ」という部分にある浮き球が、上がったり下がったりを繰り返す。この上下運動によってボールタップが壊れてしまうと、トイレタンクが水をうまく流せなくなる。

これははっきり言って全くの余談です。

恐らく水道局員は、水洗タンクの中で一番壊れやすいボールタップの話を大サービスでしてくれたのでしょう。

そもそもボールタップは、レバーを引く(水を流す)度に上下するのに、ゴボゴボと水が出て水位が安定しないくらいで壊れる訳がありません。

ですがこれを軽く読み流すと、”管内に空気が入ると、ボールタップが壊れる可能性がある”と思ってしまいませんか?

ですが、もう一度じっくり読んでみて下さい。

水道局はそんな事を、一言も言っていません。

相手の言葉を切り刻んで、自分の都合の良い方向にストーリーを展開していく、フェイク記事のよくある手法です。

また、温水洗浄便座も、空気が入ってしまった場合は壊れる可能性がある。

洗浄便座に話を移す前に、ここにも気になる一言があります。

この文章の前に、”また”と書かれている事です。

また”と書かれているので、読者は”水道水に空気が混ざると水洗タンクも壊れる可能性がある”と、知らず知らずに擦り込みが行われるのです。

この記者は、かなりの知能犯ではないでしょうか?

温水式便座「ウォシュレット(R)」を販売しているTOTOによると、温水洗浄便座には、貯湯式と瞬間式の2タイプがある。 貯湯式は小さなタンクを内在しているが、瞬間式には、タンクと呼べる部分はない。

しかし、貯湯式、瞬間式にかかわらず、断水解消後の水に空気や異物混入していた場合には故障リスクがあり、TOTOとしても断水解消後は「少しずつ調整のできる屋外の単水栓や、屋内の単水栓や2ハンドル水栓から、透明になるまでしばらく水を出すことが望ましい」という。


問題はここです。

TOTOは正確に”断水解消後の水に空気が混入していた場合には故障リスクがある”と言ったのでしょうか?

だとしたら、設置時には間違いなく空気が混入しているのに、なぜ空気抜きをしなくても良いのでしょうか?

良いとこ取りと言われるかもしれませんが、本書としてはこの記述に疑問を覚えずにはいられません。

これは本当にTOTOの正式な回答なのでしょうか?

そしてもう二つ重要な事があります。

一点目は、故障リスクがあるとしながらも、破裂のリスクがあるとは言っていない。
二点目は、一般的な水道から水が透明になるまで水を出すとリスクは減るらしい。

蛇口から水を出し始めると、「ブハッ、ブハッ」と空気と水が合わさった状態のものや、白く濁った水が出ることがあるが、少し待つと通常の水流に戻る。

水道局の担当者は「計画的な断水の時にはめったに見られないことだが、大災害が起きている非常事態のときは、濁り水が出ていくまで待つなどの対応をしてもらえたらと思う」という。


全く以って、フェイク記事です。

そもそも故障の内容すら分かっていないのにも関わらず、これを読むと恐らく10人中10人が何らかの問題が発生すると思い込む事でしょう。

そしてその中には、断水復旧後に水洗タンクと洗浄便座が破裂する可能性があると信じる人もあるでしょう。


【UPDATE】
温水洗浄便座について、TOTOの説明を追記しました。

Shino Tanaka
ハフポスト日本版ニュースエディター。
関心分野は医療、介護、性について、選択的夫婦別姓、動物など。
あとアニメとマンガが好き。


さて本書の勝手な解説を付けて読んで頂いたのですが、皆さんはこれを読んでどう思われたでしょう。

実は本書がこの記事を初めて読んだ際は、正直かなりまともな記事だと思いました。

ですが、どうも変だと思って再度読んでみると、なんだかなりいい加減な記事ではないかと思い直してきました。

そしてこの記事を書くために更にじっくり読み直してみると、いい加減ではなく、故意に誤解させる様に書いているのではないかと疑い初めています。

皆様はどう思われるでしょうか?


TOTOへの確認結果

2019/10/15:追記

このため、念のためにTOTOに確認してみました。

具体的には、2018/7のハフポスト日本語版において上記の様な記事が載っているが、断水解消後の水に空気や異物混入していた場合には故障リスクがあるのか、と問い合わせしてみました。

その結果、以下の回答を頂きました。

TOTOからの回答

断水から復旧する際は、ウォシュレットも含みますが、その他器具につきましてもご注意が必要になります。

ウォシュレットに関して申し上げますと、やはり砂などの異物が混入しますと故障の原因になる可能性がございます。

空気につきましては、混入している間は、ウォシュレットの吐水が不安定になりますが、空気が抜けきれば、問題はございません。

このことは、設置時につきましても、同様でございます。

弊社ホームページにも、【断水から初めて水を流す時の注意点】の掲載がございます。下記URLをご参照いただけますと、幸いでございます。

https://jp.toto.com/support/emergency/dansui_teiden/dansui_2.htm


これをご覧頂きます様に、水道水の中に砂や異物が入っていれば、当然ながら洗浄便座のフィルターを詰まらせたりするので、故障の原因になります。

ただし空気が混入してい場合は、問題ないと明確に回答しています。

すなわち、ハフポスト日本語版の記事にある”断水解消後の水に空気が混入していた場合には故障リスクがある”というのは、(故意かどうかは不明ですが)明らかに間違い(誤報)です。


デマ情報の検証


さて、前述のフェイク記事を見て頂いたお陰で、却って混乱された方も多いと思いますので、まとめを兼ねて再度デマ情報を検証したいと思います。



先ず水洗タンクですが、既にお伝えした様に水洗タンクに注水する水は、単に管を通って手洗い管から流れ出るだけです。

という事は、既にお話しました様に(ハンドルが無いだけで)洗面台や台所の蛇口と同じなのです。

ですので、(デマ情報が勧める)断水復旧直後に洗面台や台所の蛇口から水を出して空気抜きと同じ事を、水洗タンクの手洗い管が行っているのです。

にもかかわらず、水洗タンクが破裂するとは、全くのお笑い種(ぐさ)です。

続いて、洗浄便座です。

もし自宅が断水したとしたら、水洗タンクの水を一切使わずに断水が復旧するまで後生大事に残しておくでしょうか?

(もしかしたらそういう方もいらっしゃるかもしれませんが)恐らく大多数の方は、空のまま断水復旧を待つ事になると思います。

だとしますと、断水復旧直後に水が流れるのは、水洗タンクの手洗い管からなのです。

これによって洗浄便座を使う前に水道管の空気は放出されていますので、洗浄便座に空気が流入する事などあり得ないのです。

にもかかわらず、洗浄便座が破裂した家が増えているとは、全くのお笑い種(ぐさ)です。

よしんば、断水中も水洗タンクが満タンだったとしても、先にお伝えした様に、オーバーヒートもタンクの破裂も起きません。


真実


さて、いよいよまとめに行きたい所ですが、最後にもう一つどうしてもお話ししておかなければいけない事があります。

実は断水復旧直後にトイレを使うと、本当にトイレが故障する場合があるのです。

そう聞くと、今までの本書の話は全部嘘だった事になりますが、そうではありません。

ビル内にあるトイレの場合、水槽を屋上に設置できる事から、下の写真の様に水洗タンクの無い便器が設置されています。


ビル内にあるトイレの場合、水洗タンクの無い便器が設置されている

この場合、家庭より多少高圧の水を使用する事から、断水後使用すると圧縮された空気が配管を流れてフラッシュバルブ等の器具を破損させる恐れがあるのです。

このためフラッシュバルブの説明書には、断水後の空気抜きを奨励しているほどです。

ただしこの場合でも便器が破裂する訳ではなく、配管の水漏れ程度の話です。

もしかしたら、この話だけすれば本書の長話は不要だったかもしれません。


まとめ


それではまとめです。

①ネット上に、断水復旧後トイレの水洗タンクや洗浄便座が破裂するというデマ情報やフェイク記事が溢れているが、それらは全てウソである。

②もしそれが本当ならば、メーカーやしかるべき行政機関が既に注意喚起を行っている。

③実際家庭より高い水圧を使っているビル内の便器や洗浄便座であっても破裂する事はないのに、それより水圧の低い家庭用でそんな事が起こる訳がない。

④本件のデマ情報の作者は、もしかしたら悪意の無い(単に目立ちたがり屋の)第三者で、フェイク記事の被害者だったのかもしれない。

⑤いつ、どこで、何があったかを明確に記載されていない記事は、フェイク記事と思って間違いない。

⑥発信元と真偽不明な情報は、決して拡散してはいけない。


御同意頂けますでしょうか?




断水復旧後トイレの水洗タンクや洗浄便座が破裂するというのは嘘か真実(まこと)か?


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