小学生でも1分で分かるラジアン
はじめに
ラジアンをネットで調べると、円の半径の長さに等しい弧に対する中心角の大きさ、と書かれていますが、そんな説明を聞いてすんなり分かる方はいらっしゃらないでしょう。
そんな訳で、幣サイトが小学生でも分かる様に思いっきり分かり易くラジアンをご説明します。
結論
それでは先に結論からお伝えしましょう。
ラジアンとは、円の一周の角度である360度を2π(2パイ)、すなわち6.28とした表し方です。
ですので例えば角度90度であれば2πを4で割って1/2π、すなわち1.57になります。
ではラジアン表示するとどんな良い事があるかと言えば、例えば半径10cmで90度の弧の長さを求めたいのであれば、単純に10cmに1.57を掛けて15.7cmと求める事ができるのです。
たったこれだけの事ですので、とにかく360度=2π(6.28)とだけ覚えて頂ければと思います。
もしこれですんなりラジアンご理解頂けたとしたら、以降は簡単な解説と応用だけですので、一切読む必要はありません。
角度とラジアンの関係
先程360度は2π(6.28)で、90度は1/2π(1.57)とお伝えしましたが、ついでに他の角度もご紹介しておきます。
度表示 | ラジアン表示 |
360度 | 2π(6.28)ラジアン |
180度 | π(3.14)ラジアン |
90度 | 1/2π(1.57)ラジアン |
60度 | 1/3π(1.05)ラジアン |
45度 | 1/4π(0.79)ラジアン |
30度 | 1/6π(0.52)ラジアン |
1度 | 1/180π(0.02)ラジアン |
なお、お伝えするのが遅れましたが、フォントの都合でπ(パイ)の文字が、どうしてもn(エヌ)に見えてしまいますが、両者は異なりますのでご注意願います。
また上の表では、単位にしつこくラジアンを付けおきましたが、慣れてきたらこのラジアンなる単位は消してしまっても一向に構いません。
なぜならばラジアンとは単なる呼び名であって、それ自体に長さ(m)や重さ(kg)や時間(s)の様な物理的な単位としての意味は持っていないのです。
ちなみにラジアン(radian)とは、ラテン語で半径を意味するradiusの造語です。
またご存知の通りπ(パイ)は、円周率の事で3.1415・・と続きますので、正確には360度の2πラジアンは6.2831・・になります。
また上の表を図で表すと以下の様になります。
角度表示とラジアン表示の関係
ラジアンから角度への変換方法
それでは次にラジアンから角度への変換方法をお伝えしておきましょう。
エクセルで三角関数を使うと、全てラジアン表示になるので、使い慣れた角度にするには以下の様に計算すれば求められます。
角度=ラジアン÷2π(6.28)×360度
例えば2ラジアンだとしますと、角度は以下の様になります。
2ラジアン÷6.28×360=115度
逆に角度をラジアンにするには、以下の様になります。
ラジアン=角度×2π(6.28)÷360度
ラジアン表示のメリット
ではなぜこんな表示方法にしたかと言えば、既にお伝えしました様にラジアン表示にすれば、これに半径を掛けると簡単にその角度に対する弧の長さが求められるからです。
例えばですが、もし半径10cmの円で角度90度に対する弧の長さを求めるとしたら、度数表示の場合、先ず全周の弧の長さ(2πr=62.8cm)を求めて、それを1/4にして15.7cmと求める必要があります。
ところがラジアン表示の場合、単に1/2πラジアン(1.570ラジアン)に半径の10cmを掛ければ、15.7cmとあっという間に答えを導き出す事ができるのです。
度数表示の場合、角度をイメージするのには都合が良いのに対して、ラジアン表示は弧の長さを計算するのに都合が良いのです。
角速度
ついでなのでお伝えしておきますと、回転する物体の運動エネルギを求める場合、以下の様な式を使います。
回転する物体の運動エネルギー=1/2Iω²
このωが角速度を表しており、単位時間当たりの回転角度をラジアンで表示する必要があります。
このため、もしその物体が1秒間に1回転しているとしたら、それをラジアンで表示すると2πラジアン/秒となり、数値で表すと6.28ラジアン/秒になります。
ですので、時計の秒針の角速度は2πラジアン/分になり、長針は2πラジアン/時になり、短針は2πラジアン/12時間になります。
まとめ
それでは最後にまとめです。
①ラジアンとは、円の一周の角度である360度を2π(2パイ)とした表し方で、これを数値で表すと6.28である。
②”ラジアン”とは単なる呼び名であって、それ自体に長さ(m)や重さ(kg)の様な意味は持っていないで消しても構わない。
③ラジアンで角度を表示にすれば、これに半径を掛けると簡単にその角度に対する弧の長さが求められる。
④度数表示の場合、角度をイメージするのには都合が良いのに対して、ラジアン表示は弧の長さを計算するのに都合が良い。
とにかく、円周が2π(6.28)だと覚えておけば、もう二度とラジアンを調べる必要はありません。
そして最後におまけです。
なぜ円周が360度なのかと言えば、実は地球の公転周期である365日(太陰暦では約360日)から来ているのです。
これで少しはお役に立ちましたでしょうか。
小学生でも1分で分かるラジアン