2016/03: 初版
はじめに
だったらと、思い切って街の携帯ショップに何の予備知識もなく出かけて行けば、気が付くと格安SIMと一緒に、使いもしない抱き合わせの有料アプリや無駄なサービスがたっぷり入った中国製の安いスマホを買わされるはめになるかもしれません。 ならばと思ってネットで調べてみても、格安SIMの解説記事は山の様にあるものの、結局何をどう選べば良いのかさっぱり分かりません。 という貴方。 お待たせしました。 そんな普通のおじさんのための、格安SIM入門講座です。 本書では、以下の標準おじさんを想定して記述していますので、これを基本として検討して頂ければ、必ずやご自分の希望にあった格安SIMを購入できる事請け合いです。 数分で何をどうすれば良いか分かりますので、しばしお付き合い頂ければ幸甚です。 標準おじさん
1. 面倒な事は大嫌だ世の中に面倒な事が好きな人はいないでしょうが、年を取るに連れて更に面倒な事は避けたくなるものです。特におやじの話を全く耳を貸さない若い店員の一方的な説明や、どこをクリックしても知りたい事に辿り着けないネット記事にうんざりされていれば、見事に第一関門をクリアです。 2. 通話は殆どしないこれも同じだと思いますが、今どき携帯電話で話をするのは、外出時に家族か同僚にする程度で、何か特別なイベントでもない限り、月の通話時間は数分程度ではないでしょうか?或いは、うっかり上着のポケットに入れたままにしていたら、いつの間にか充電が切れていた経験があれば、間違いなく第2関門クリアです。 3. 電話番号は残しておきたいかと言って全く電話できないのも困るし、電話が通じなくて死んだと思われるのもシャクなので、電話番号だけは残しておきたい。となったら、第3関門も楽々クリアーです。 4. パケット通信量も最小限で十分だスマホでネットに接続するのは、せいぜい通勤時にニュースやメールやラインを見る程度ですので、最小限の通信量で十分ではないでしょうか。もしアプリやビデオ等の大量のデータをダウンロードする場合は、データー通信ではなく自宅のWiFi経由で行えば済む事です。 という訳でパケット通信量は最低限で構わない。 5. 月々の支払いは1円でも抑えたいまとまったお金の無かった若い頃は、なるべく分割払いを選んでいたものです。ところが多少の経験と蓄えと、本質を見極めるズル賢さを学んだおじさんになると、むしろワンショットならば多少高額な買い物は許容できても、知らない内に長期間どんどん引かれる毎月の経費は、1円でも減らしたいと思うのではないでしょうか? まさにその通りです。 仮に100円/月であっても10年間払えば12,000円、更に月々5,000円となれば10年間で60万円です。 月々の支払いは、1円でも抑えるのが賢いおじさんの選択です。 これだけです。 この標準おじさんに貴方が当てはまれば、結論は見えています。 結論
1. 現在のドコモスマホをそのまま使用する場合現在ドコモのスマホをお持ちで、今後もそれを使いたい方にお勧めの格安SIMは、So-netの音声通話機能付き0 SIMです。 これは、通話料が別に20円/30秒掛かりますが、高速通信料が0.5GB/月以下であれば月額たったの700円という激安SIMです。 万が一にも(そんな事は絶対にないでしょうが)高速通信を5GB/月以上行っても、電話をしない限り月額2300円以上にはなりません。 早い話が、上記した標準おじさんの様に電話もデータ通信も殆どしないのでしたら、月に1000円もあればお釣りがくるという訳です。 いや俺はもう少しデータ通信をするかもしれないと思われる方は、以下の表から他のサービスをご検討すれば良いのです。
その場合の基準ラインは、月額700円です。 2.現在の auスマホをそのまま使用する場合またもし現在au系のスマホをお持ちで、それを今後も使うのでしたら、mineoの音声通話機能付きauプランのデュアルタイプ(月額1310円)がお勧めになります。 これですと、同じ様に通話料が別に20円/30秒掛かりますが、0.5GB/月の高速回線が使用可能で、それを使い切ると低速回線ながら無制限で使えます。
生憎auの選択肢は二つしかないのですが、もしもっと大きな容量が必要でしたら、上の表の様にUQがあります。 3. 現在のSBスマホをそのまま使用する場合生憎ソフトバンクの回線を使う格安しSIMはありません。 このため、もしお持ちのスマホがSBの場合、一旦SIMロック解除(ただし解除できない機種有り)を行ってから、前述のSo-netの0 SIMがお勧めになります。 ちなみにSIMロック解除可能な機種は、2015年5月以降に発売されたiPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、DIGNO® F、Xperia™ X Performance、AQUOS Xx3、AQUOS Xx2 mini、AQUOS Xx2、Nexus 6P、Xperia™ Z5、AQUOS CRYSTAL 2、AQUOS Xx、Xperia™ Z4、Galaxy S6 edge等になります。 詳細は以下をご参照願います。 https://www.softbank.jp/mobile/support/usim/unlock_procedure/ 4. 今後新たにスマホを購入する場合今後スマホを購入する場合、ドコモの中古スマホか、SIMロック解除済みの中古スマホ、もしくはSIMフリーの新品もしくは中古スマホを購入して、同じく前述のSo-netの0 SIMがお勧めになります。 格安SIM
1. 楽天モバイル楽天モバイルの料金プランは以下の通りですので、これを元に料金表の見方をご説明しておきましょう。 データSIM 先ず左上のデータSIMとは、データ通信しかできないサービスの事です。 この場合、データ通信のために一応電話番号は付与されますが、その番号で電話はできませんので、本書想定のおやじには関係ないプランです。 これが使えるのは、もう一台携帯電話を持っている、もしくは通話はLINEやスカイプ等のデーター通信で行うと割り切った場合です。 SMS その下のSMSとはショートメールサービスの事で、相手の電話番号宛に70文字までの送受信可能なメールができます。 この有無でも若干値段が異なります。 これを付加すればSMSが使えるだけでなく、LINEのSMS認証も可能になり、スマホの種類によっては電池の消耗を抑えることができます。 通話SIM 次の通話SIMとは、電話もできてデーター通信もできるサービスです。 ですので、これが標準おやじに必要なサービスになります。 ただし通話の場合、20円/30秒の追加料金が発生しますので、極力電話はしない事です。 ところが楽天の場合、月額850円をプラスする事で、1回5分間以内の電話がかけ放題というオプションがありますので、電話好きの方は覚えておいて損はありません。 プラン 左側にベーシックプランから10GBプランまでありますが、これは一月に高速通信(LTE)が可能なデータ量を示しています。 ベーシックプランは、高速通信はできないものの、遅い通信速度(200kbps)ながらいくらでもデーター通信が可能です。 次の3.1GBプランとか5GBプラン等については、一見これ以上のデータ量を使うとデーター通信できなくなると誤解されるかもしれませんが、そんな事はなく通信量の上限を超えると、通信速度が遅くになりますが、無制限に使用可能になります。 ですので、通信量上限を超えても課金される事はありません。 なお高速通信は、動画や音楽を視聴するのに必要ですが、HPを見たりメールのやり取り程度でしたら全く必要ありません。 もちろん通話SIMには、SMSの機能も含まれています。 お勧め この中で本書のお勧めは、文句なしで月額1,250円のベーシックプランです。 この場合、前記しました様に高速通信はできないものの、メールの送受信でした問題なく無制限にできますし、追加で20円/30秒の料金が発生しますが通話も可能です。 なお楽天モバイルはドコモの回線を使用していますので、ドコモのスマホに楽天モバイルのSIM差し込めば問題なく動作します。 楽天で動作確認した端末はこちらでご確認できます。
2. mineomineoは、関西電力系のケイ・オプティコム(株)が運営する通信サービスです。 楽天モバイルと異なり、この格安SIMはドコモとauをサポートしていますので、現在auのスマホをお持ちの方にはお勧めです。 ドコモ回線の料金プランは以下の通りです。 次にau回線の料金プランは以下の通りです。 ドコモ系よりau系の方が少々お安くなっていますが、既にお伝えした通り、いずれも一番安いプランで十分です。 ドコモの動作確認端末一覧とauの動作確認端末一覧もmineoのHPにアップされています。 3. DMM mobileご存知かもしれませんが、DMMは主にネット通販やビデオ・オン・デマンドに関する事業を行っている会社です。 ここもドコモの回線を使用しています。 ご覧の通り、高速通信無しの1140円はかなり魅力的です。 動作確認端末はこちらで確認願できます。 4. OCN モバイル ONEご存知の通りOCNはNTTコミュニケーションズが運営するプロバイダーです。 という訳で、当然ながらドコモの回線を使用しています。 この場合、1日あたり110MB(3.3GB/月)の高速通信が可能ですが、1600円は少々高めです。 動作確認端末はこちらで確認願できます。 5. IIJmio余り聞いた事はないかもしれませんが、インターネットイニシアティブ(株)は、官公庁や法人を対象としたプロバイダーの最大手です。 ここもドコモの通信回線を使用しています。 ここも3GB/月の高速通信付きですが、1600円と高めです。 動作確認端末はこちらで確認願できます。 6.UQ mobileUQコミュニケーションズ株式会社は、KDDI系列の会社です。 このため、当然ながらauの回線を使っています。 ここは、3GB/月で1680円と一番高くなっています。 動作確認端末はこちらで確認願できます。 7. BIGLOBE SIMビッグローブは元々NECの子会社だったのですが、期待したほど売り上げは伸びなかったのか2006年に分離されて(独立して)NECビッグローブからNECが付かない現会社になりました。 NECも旧電電公社ファミリーの一翼を担っていましたので、ここもドコモの回線を使用しています。 ここは1GB/月の高速データ通信が付いて、月額1400円です。 動作確認端末はこちらで確認願できます。 8. So-netソネットはご存知の様にソニー系列です。 Xperiaのつながりから言っても、ドコモ系になります。 ここは今まで違った料金体系を構築しています。 上の図にあります様に、もし月に500MB以上使わないと、音声プランの料金の700円で済むという訳です。 例えば、年金暮らしで普段は家では趣味や家事に没頭し、たまの外出でスマホを持ち出す程度でしたらこれで十分です。 また繁忙期は電話やメールを使うけど、閑散期にはほとんど使わなくなるのでもったいないといった場合も魅力的です。 また万一繁忙期に思いっきり使ったとしても(そんな事は有り得ないと思いますが)、5GBの1600円が上限ですので、トータルで2300円です。 これは、毎日サンデーのおじさんにはお勧めです。 なお動作確認端末はこちらで確認願できます。 9. FREETELFREETELとはベンチャー企業であるプラスワン・マーケティング(株)が扱う携帯端末のブランド名ですが、ここにきて通信事業にも参入してきました。 ただし、こういう所は十分気を付けなければなりません。 恐らく上の表を見ると、キャンペーン期間中に契約すれば、100MBの高速通信が付いて月額999円のところが700円になると誰でも思うでしょう。 それは間違いないのですが、月額700円なのは最初のたった3ヶ月間だけなのです。 この事は表の周囲に全く書かれておらず、キャンペーンの内容をじっくり読まないと分からない様になっていますので、決して騙されてはいけません。 また、ここの格安SIMを使うと、メッセンジャーアプリ(LINE、WhatsApp、WeChat)のデータ(テキスト、画像、スタンプ、絵文字)通信料が無料になるサービスが付加されますが、おじさんには殆ど関係ありません。 ましてこのサービスには以下の注意書きがありますので、課金されるかどうは企業側の判断次第になっています。 ネットワークに影響があると判断される使用と当社が判断したお客様については、翌月から課金する場合があります。 なお動作確認端末はこちらで確認願できます。 10. @モバイルくん@モバイルくんは名古屋に拠点を置くプロバイダー株式会社ジェネスの提供する格安SIMです。 ここもDOCOMOの回線を使用しており、下の広告にあります様に、So-netに次ぐ月額800円の音声通話プランを提供しています。 ここの売りは、余ったデータ量は翌月に繰り越せ、それでも使い切れなかった場合はポイントへ変換してもらえる事です。 各社差別化に苦労している様です。 まとめこれまでSIMをまとめると以下の様になります。
ドコモの回線ならばSo-net、auの回線ならばmineoが有利という事が分かって頂けると思います。 なお通信量がもう少し必要ではないかとか、電話代が別に掛かるのを心配される方もいらっしゃるでしょうが、心配するほど使わないので先ずは最低の格安SIMで契約するべきです。 そしてもし本当に更に通信量が必要でしたら、契約内容を変更すれば良いのです。 以前は一度解約しなければ、契約内容を変更できなかったのですが、今はそれが可能になりましたので、まずは安い方で契約するべきです。 次回予告いかがでしょうか。 これで、どの格安SIMにするか決まりましたでしょうか? ここまできたら、あとは格安SIMを入手してご自分のスマホにセットするだけだと思われますよね。 確かにその通りなのですが、実際には電話番号の移行やら携帯電話の解約やらが必要になります。 という訳で、今後の手順を次にご紹介したいと思います。
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