火災保険はほしい額ではなく払える額で決めよ
30分で分かる妥当な火災保険

2013/02:発行
2020/03:更新


目次




6. 火災の発生確率


6-1. 火事の発生確率


先ず、日本での1年間の住宅出火件数(総出火件数から住宅以外の出火件数を除く)ですが、総務省の平成24年の資料(下記参照)によれば、14973件(死者1270人)との事です。

             平成24年7月発行、総務省報道資料引用


これは出火件数なのですが、生憎火災戸数(或いは棟数)が不明なので、取り敢えずこれを火災発生確率の分子にしましょう。

一方分母となる日本の総住宅戸数は、総務省の最新(平成20年度)データによれば5759万戸との事です。

これを単純に割り算すると以下の様になります。

     14973件÷57590000戸×100%=0.026%

 注:単位が”件”と”戸”で異なるのですが、簡易的に%を使わせて頂きます。

すなわち1年間の間に、3846戸で1件の火事が発生している事になり、これを感覚的に分かる様に面積比で表すと以下の様になります。


この図は3846戸を緑の面積として、そのうち1件(件 ≒戸と仮定)を赤の面積で表しています。
小さいとは言え、”もしかしたら自分の家が”という思いは持たれるでしょう。




6-2. 焼損レベルを考慮した火事の発生確率


ただし以下のグラフにもあります様に、全体の70%は自腹で何とか対処できそうな”ぼや”と”部分焼け”ですので、どうしても保険金が必要な半焼/全焼は全体の30%という事になります。


これを上記の発生確率に加味すると、1年間12800戸で1件の割合(0.008%)で、確かに保険加入が必要な頻度で火事が起きていると言えるかもしれません。

これをグラフにすると以下の様になります。


赤い点がかなり小さくなりましたが、どうです?

確かにこの程度の確率であれば、普段の生活を犠牲にしてまで、高額な保険に入る必要はない様に思いませんか?

6-3. 出火原因を考慮した火事の発生確率


更にです。

下の出火原因のグラフに見られる様に、たばこ、こんろ、たき火、火遊び、火入れ、ストーブによるものが全体の35%も占めています。


という事は、たばこも吸わず、ガスコンロも使わず、たき火も火入れも火遊びもせず、ストーブもない家でしたら、更に出火の確率は65%低くなります。

その様な家でしたら、計算上19700戸で1件(0.005%)になり、ここまでくると火災保険に入る必要性すらないと言える所にまで達します。

以下のグラフの赤い点が見えますでしょうか?


それでも安心のために保険に入りたいという気持ちは十分に分かりますが、評価額一杯の保険金額を掛ける必要性は薄い事は分かって頂けると思います。

情報源は不明ですが、ネットで調べると日本での火災保険の加入率は約60%という事ですが、もしそうならば40%の方々は非常に賢明な判断をされているのかもしれません。

なお業界関係者から指摘を受ける可能性があるので、一応言っておきますと、この発生確率のスパンは1年間ですので、10年間、20年間となると、この点が10個、20個となります。

ただしこの小さなが、10個になろうが20個になろうが、大勢には殆ど影響は無いと言っても良いでしょう。


6-4. その他の出火原因について


さて、最後にもう一つ付け加えておきましょう。

上記グラフに、放火、その他の原因、或いは不明が66%ありますが、これらについて原因や犯人が特定できれば、当然ながらその責任元に対して損害賠償請求が可能なのを忘れてはいけません。

すなわち、火災保険に入っていなくても補償される可能性があるという事です。




6. 火災の発生確率
/30分で分かる妥当な火災保険




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