嘆きの分解メモ
SONYブルーレイレコーダ(BDZ-T70)
目次
5. BRDドライブの分解
5-1. BRDドライブのカバーを外す
それやこれやで、ようやくBRDドライブが外せました。
ホコリ対策なのか、ほぼ完ぺきに密封されています。
見た所、ディスクの挿入扉もゴムのパッキンでシールドされている様に見えます。
ファンを2個付けたら、これぐらいの密封度が必要なのでしょう。
また通常のDVDドライブユニットよりも一回り大きい様に見えます。(これも何故なのでしょう)
取り敢えず見えるビスをどんどん外して、更に上カバーを外して、ようやく取り出せなくなったDVDを見る事ができました。
ただしここでも問題を指摘しておきましょう。
上カバーはビスで止まっているものの、何故かご丁寧に上カバーが外れない様に爪まで付いているのです。
このため、ビスを外した上で、今度はこの爪を(自分の爪で)外さなくてはならないのです。
何故だ?
何故ビスで固定されている物に、爪まで付けるのだ?
ここまでくると、さすがにうんざりしてきます。(間違いなく、組み立て上の都合で爪が付いているのではありません)
SONYの設計思想はどこにあるのでしょう。
そしてもう一つのサプライズです。
密封されていると思ったBRDドライブの中にも、しっかりホコリが付着しているではありませんか。
恐らく常時ガンガン吸引しているため、BRDドライブ内も負圧になり、一瞬トレーが開いた途端に外部のゴミを吸い込むのでしょう。
どこまでも、良くできています。
5-2. BRDトレーのロック解除
DVDを取り出して、まだ終わりではありません。
最終目的は、今度はこれを動く様にする事です。
イジェクトボタンを押すとモーター音がしたので、駆動系が重くなっているか、ゴムベルトが滑り気味なのでしょう。
と更に分解を進めようと思った所で、またまた絶句です。(何度目かもう忘れました)
この状態ではトレーがロックされていてトレーを引き出せず、かと言ってロックを外す機構がトレーに邪魔されていて触れる事もできず、また全周を見渡しても基板以外一切取り外せる部品が無いのです。
すなわちトレーを引き出せないと、どうやってもこれ以上分解できないのです。
一体この設計部門は何を考えているのでしょう?
通常ならここでギブアップでしょう。
しかしながら、ここまできたら何がなんでも直してみせるという意地になってきました。
押してもだめなら、引くしかりません。
物理的に無理となったら、電気的な手を考えます。
トレーを駆動するモータとそのリード線が見えているので、モータに外部から電気を流して何とかロックを外せないか試してみます。
何ボルトで動くか分からないので、取り敢えず電池1個(1.5V)から掛けていきますが、全く反応しません。
次に3Vでも全く動かず。
次に思い切って6Vを掛けようやく動き、無事ロックが外れました。
恐らくこのドライブを作った設計部門は、世の中に壊れない物は無いという事を、知らなかったのでしょう。
もしモーターのトルク以上に負荷が重ければ、これはこれ以上分解できない事になります。
5-3. グリス塗布
トレーが引き出せたら、あとは更に分解して摺動箇所にグリスを塗布するだけです。
と言いたい所なのだが、ここにも問題発生です。
左上の写真にゴムベルトが見えますが、グリスを塗布したい箇所はそこから全て1mm以内の近距離にあるのです。
早い話が、滑ってほしい箇所と滑ってはいけない箇所が、全く意識(分離)せずに設計されており、迂闊にグリスを塗布できないのです。
実際近傍の歯車には、当初から全くグリスは塗布されていなかった様です。
ここまでくると、本当にSONYは大丈夫なのかと思ってしまいます。
話がまた脱線してしまいましたが、このためもしグリスを塗布する場合は、非常に薄ーく塗らなくてはいけません。(間違ってもギアの途中数か所に、山盛りのグリスを乗せてはいけません)
また塗布するグリスは、相手がPOMもしくはPC+ABSなので、ケミカルアタックのないグリスを使用する必要があります。
この手のグリスは工業用で少量での購入は難しいのだが、使ってみた所タミヤのグリスがお勧めです。
5. BRDドライブの分解
/嘆きの分解メモ、SONYブルーレイレコーダ(BDZ-T70)
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