嘆きの分解メモ
SONYブルーレイレコーダ(BDZ-T70)
目次
3. 天板を外す
3-1. 天板の材質
さて御託を並べるのはこれぐらいにして、早速分解に移りましょう。
と言いつつ、先ずは天板の材質についても触れておきます。
実はこの天板ですが、分解する前はその剛性感と高級感からすっかりアルミの無垢材と思い込んでいました。(さすが素人)
ところが外そうとして、ようやくそれがプラスチックだと気が付いたのですが、この塗装を見て昔懐かしいキヤノンのAE-1(写真下)を思い出しました。
当時は誰もが、AE-1の軍艦部(カメラ上部)は金属だと思っていたのですが、後になってプラスチックに塗装がしてあると知って驚いたものです。
3-2. 横カバーを外す
さて御託を並べるのはこれぐらいにして、早速分解に移りましょう?
本体の全周を見渡すと、ビスは側面には見当たらず、裏面のみです。
これはアップル製品に見られる様に高級感を演出するには絶大な効果があるのですが、はたしてこの様なビデオレコーダにも必要なのでしょうか?
なぜならば、ビデオレコーダの置き場所といえば、テレビ下の棚の中と相場は決まっており、そこに置かれれば誰一人として側面のビスなど気にしないし、そもそも見えないからです。
この様に誰も気にしない側面のビスを隠す事で、少なからずコストアップとサービス性がダウンする事を考慮すると、これはどうみても無用な演出でしょう。
これはSONYのマーケッティングの問題なのか、或いはデザイン部門か設計の問題なのか、はたまた品質保証部門の問題なのか気になる所です。(実はこの手の指摘がこれから延々と続く事になります)
話をアップル製品に移すと、裏面を含めてビスが外部に無いのがアップルの特徴ですが、むしろアップル製品が凄いのは、そのためにファンや通気口を無くしている(或いは見え難くしている)事です。
電気設計を経験した方なら何方もご存じであろうが、仕様書通りに設計する事より、むしろでき上がった回路基板で昇温と放射ノイズを抑える方が非常に大変なのです。
アップルのiPad等に見られる様に、完全に筐体を密閉した場合、空気の流れで素子を冷やす事ができないのですが、それでも問題がない程昇温を抑えた事が驚異と言えます。
それに対してこのレコーダですが、何と大きなファンが2個も付いているのです。
このエアーフローについては今後も酷評する事になるのですが、競合他社はファン1個で済ましているのにファンを2個も使い、それなのになぜ外装カバーに無駄なコストを掛けるのでしょう?
私達がまだ若かった頃、ワクワクする製品を作っていたSONYは、一体どこに行ったのでしょうか?
3-3. 天板を外す(前篇)
さて御託を並べるのはこれぐらいにして、早速分解に移りましょう??
という訳で、先ずは裏側にある側面カバーを止めている黒ビス2本を外します。
SONYの場合、昔から取り外すビス近傍に矢印を打っているのは好感が持てます。
このビスを外すと、側面のカバーを後ろ側にスライドして外せます。
と、ここまでは順調なのですが、ここでも愚痴を言わせて下さい。
それは、側面カバーの裏側にたっぷり付着したホコリです。
どんなビデオレコーダでも排気ファンがあれば内部にホコリは溜るものですが、ここまでひどいのは見た事がありません。(余りに汚いので、写真は掃除した後にしておきました)
さすがに排気ファンが2個あると、掃除機なみの吸引力で穴という穴から周囲のホコリを集塵してくれた様です。
おかげで何回かカバーを外す度に、ダイソンの携帯掃除機が大活躍する事になります。
次に両側面にある黒ビスを3本(計6本)と裏カバーの天板を止めている銀ビス2本を外します。
すると天板がすんなり外せる筈なのですが、前部がまだ止まっている様で押しても引いてもどうしても外れてくれません。
とういう訳で次章に続きます。
3-4. 天板を外す(中篇)
本機の場合、天板外しが分解のクライマックスなので、話を前中後に分かれる事はお許し頂ける事でしょう。(ただしこの後も、まだまだクライマックスがありますので、期待しておいて下さい)
さてどうしても外せない天板ですが、それでも後端側だけは僅かに持ち上がるので、その隙間から内側を覗くと、天板の前部がビス止めされているのが分かります。
また横から覗き込むと天板のプラスチックは、金属の上カバーにスライドして嵌められているのが分かります。
このため、プラスチックの天板だけをスライドさせれば、側面のカバーと同様に簡単に外れる筈なのですが、どうしても前にスライドさせる事ができません。
とすると、恐らく勘合部がテーパになっていて、スライドがかなり渋くなっているのかもしれません。
そう思って、後端を軽くコンコンと叩いてもびくともしません。
という訳で、コンコン→ゴンゴン→ガンガンと叩いてようやく片側がスライドでき、更にガンガンやってやっと天板が外れた次第です。
この外し難さから、当初は天板の面積が大きい分嵌め合いが渋いのだと思ったのですが、天板を良く見てスライドできないのには秘密があるのに気が付いた次第です。
という訳で、後篇でいよいよ正しい分解方法をご説明します。
3-5. 天板を外す(後篇)
左下の写真をご覧頂く様に、外し終えた天板のビス止め箇所裏に小さな突起が見えます。
これが最大のミソで、この突起が上カバーの四角い穴(右上の写真参照)に収まって(嵌って)いるため、天板をスライドできなかったのです。
このため正しい外し方は、以下の様に天板のビス止め箇所にヘラを挿入して、リブを持ち上げた状態で天板をスライド(赤矢印方向)させるのです。
ところで、またまた愚痴になりますが、この突起は本当に必要なのでしょうか?
確かにユーザーによる安易な分解は防止できるもですが、これに気が付かない人は結局天板のどこかを壊して外す事になります。
またこのリブは、ビス止めもしているので、突起が無くても外れる事はありません。
この突起がある事で、製品の品質は良くなっているのでしょうか?
誰がどう考えても、それはないでしょう。
なぜなら、今回と同じ様に機内に残ったDVDを取れなくて困っているユーザーは、大勢いるのでしょうから。
3. 天板を外す
/嘆きの分解メモ、SONYブルーレイレコーダ(BDZ-T70)
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