やっと分かった 
iPhone 6 SIMフリー販売中止の理由

2015/1: 発行
2015/4: 更新


目次


  1. はじめに/結論/iPhone 6販売開始/中国販売開始
  2. 中国での販売価格/アップル経営会議/販売中止/SIMロック解除の義務化
  3. 決算発表/シャープ赤字転落/時価総額7000億ドル超/キャリアからの圧力?
  4. 販売再開/ソニーXperia Z4発表/アップルがGoogleを抜く
  5. まとめ/予想/予告


背景


【決算発表】


そして翌年の2015/1/28に行われた、2015年第一四半期(2014年10月~12月)決算発表です。

はじめにでも述べました様に、この3か月でUSAの民間企業における過去最高益を記録したとの事です。

具体的には、2012年第二四半期にエクソンモービルが打ち立てた最高益である159億ドルに対して、アップルは180億ドル(約2兆円)の利益を上げました。

もっと分かり易く言えば、この数十年の業績で世界一儲けた企業という事です。

売り上げが746億ドル(約9兆円)ですので、単純計算で利益率は24%もあります。

またこの発表を受けてアップルの株価が5%も上がった事から、市場の予想以上の好決算であった事が伺えます。(この主要因は間違いなく中国のiPhone 6です)

なおiPhoneの販売台数は7,400万台で、予想より1,200万台も多かったとの事です。

驕れる者は久しからずや。


【シャープまたも赤字に転落】


2015/2/17、経営再建中のシャープが、通期で再び最終赤字に転落すると発表しました。

昨年10月に発表した2015年3月期の決算見通しは、売上高2兆9000億円(前期比1%減)、営業利益1000億円(同8%減)、当期純利益300億円(同2.6倍)でしたが、一転して300億円の最終赤字に転落したとの事です。

主力製品のスマートフォン用のパネルが、政府の支援で立ち上がったジャパンディスプレイ(JDI)激しい価格競争にさらされ、採算が悪化したというのが大手マスコミの報道内容です。

しかしながら、Appleがシャープに対して1,000億円の出資をしながら、iPhone 6の液晶をシャープからLGディスプレーに変更したのも大きく響いているのは間違いありません

契約上の守秘義務で正確な所は不明ですが、なにしろ工場の安定稼働のためにAppleの無理難題な要求を受け入れて自社工場をAppleに貸与したにも関わらず、iPhone 6の液晶は別会社から購入したのですから。

和を尊ぶ日本の企業においては、相手先の事を考慮してこんな事は決してやりませんが、Appleは自社の利益のためには、どんな事でもいとも簡単にやってのけるのです。

多少過激な表現をお許し頂けるのでしたら、恐らくAppleとの契約を結んだシャープの担当者や経営者は、煮え湯を飲まされたどころではなく、恨み骨髄の気分ではないでしょうか?

これも下衆(げす)の勘ぐりと言われるかもしれませんが、Appleがシャープの液晶価格を基にLGディスプレーに値引きを迫った可能性は十分考えられます。

ご存じだと思いますが、ある企業が赤字に転落したという事は、その分と同じ額だけ誰かが儲けたという事です。

部品供給元のベンダーが大損して、クライアントは大儲けする。

決して好ましい姿ではありません。

シャープは当面リストラの強化等で凌ぐしかないでしょうが、復活した暁にはやる事は一つでしょう。

具体的には書きませんが、もし私が従業員の生活を必死で守りたいと考えるシャープの幹部だとしたら、そうします。

その昔Appleと共にニュートンを製造した会社に、そこまでするか?


1990年代シャープが製造した Apple Newton

そしてオフレコながら、日本企業の経営層に広がった話があるそうです。


どんなに困っても、どんなに美味しい話でも、決して毒リンゴには手を出すな。




【Apple時価総額7000億ドル超】


この話はまだ続きます。

2015年02月10日、この日のアップル株は1株当たり122ドル(約1万4570円)で引けて、米国企業として初めて終値で7,000億ドル(84兆円))を突破したのです。

日本の国家予算が96兆円ですので、この84兆円がどんなに凄い金額か分かって頂けると思います。

何が言いたいかと言えば、まさに一人勝ちで我が世の春を迎えていたという事です。

この勢いを止められるのは誰なのでしょう?


【キャリアからの圧力?】


2015年3月、未だにSIMフリー機の販売は再開されません。

さすがに大人しい日本のユーザーも、SIMフリー機が販売されない事に苛立ちを強めています。

中にはキャリアがAppleに圧力を掛けたのではないかとの憶測も飛びだしますが、それはあり得ない話です。

なにしろ大手キャリアは、Appleの過度の要求を呑んでiPhoneを売らせて貰っているのですから。

実際、大手キャリア3社のカタログやHPを見ると、なぜかiPhoneだけは見開きの先頭頁に記載され、他社とは明らかに違う破格の扱いを受けています。


iPhone 6が見開きにあるドコモのカタログ

目障りではありませんか?

またiPhoneのみ、キャリアのロゴがどこにも書かれておらず、背面中央にリンゴマークが堂々と鎮座しているのです。

大手キャリアが全て、自発的にこの様な超優遇をiPhoneに対してのみ行うでしょうか?

これは全て、iPhoneを扱うための契約条項に盛り込まれているからと推測するのが妥当でしょう。

だからこそ、auもドコモもiPhoneを扱う事に難色を示し続けたであろう事は、想像に難くありません。

そんな日本の大手キャリアが、飛ぶ鳥を落とす勢いの今のAppleに圧力を掛ける事など、夢のまた夢の話です。




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